蝉の命は短いと聞く。
地中で七年間を過ごし、地上で七日間と言われている。
でも実際は1ヶ月ほど生きるそう。
それでも、ひとなつ。一夏なんだって。
来年もまた聴こえるであろう
彼らの賑やかな鳴き声は
人間にとって、おんなじように響く。
でも今年鳴いてたあいつ、
来年はもう鳴かないんだって。
おんなじように聴こえるけどなぁ。
人間に置き換えたら
数年間も地中のようなところで過ごすのは 永い。
そしてやっと出られた地上で
一夏だって。そんな、短い。短すぎる。
息絶える直前、ジジッ…て鳴るのもわかる気がする。
あれだけ大きな音で鳴くのもわかる気がする。
そりゃそうだよ。
盛大に鳴いてくれなきゃこっちだってやりきれない。
また来年もおおいに盛り上げておくれ。
でも実は、蝉は他の昆虫と比べたら長生きみたい。
人間の感覚で短いとか長いとか、、そもそも地中は快適で、安全で、思いのほかいいところかもしれないし。
なんてことも考えながら、
命の儚さも、命を全うすることへの決意も
アルバム一曲目の「蝉」に込めた。
蝉は 3年前の冬頃に書いた。
そしてその数ヶ月後 2016年6月の父の誕生日に
これを一曲だけCDに焼いてプレゼントした。
それまで歌を褒めたことはなかったけど気に入ってくれた。
この曲は一生をかけて歌っていくと思う。
そんな予感がする。
これから何度歌うことになるんだろうな。
蝉のように、
長い間ずっと地中で過ごしても
いつか日の目を見て、盛大に響けばいいな。
そして、蝉が毎年鳴くように、
永く遺る歌になるといいな。
Comentários