道端で狸が車に轢かれて横たわっていた。
歩いていたら、ミミズが干からびていた。
人と話していたらその人が突然、目の前を飛んでいた蚊を叩いた。
死が、周りに転がっていた。
常に、それは僕を取り囲んでいた。
だから、どうしようとか、ない。
この際、開き直りさえする。
強いメッセージを込めた歌と思うのは見当違いで、
ただ、そうだよなぁ、ということを歌いたかった。
突然動かなくなる色んな形の命の
行方を知りえないまま。
突然動かなくなったあいつの
突如訪れたあいつの
この世との別れが
なんとなく大仰に感じるだけなのだ。
林業、農業、工業、水産業は
多くの命の屍の上に成り立つ。
でも今日も車で出かけるだろう。
夜は肉を食べるだろう。
明日は蜘蛛の子供を踏むだろう。
そんなことに気がつきもせず
明日からも生きていくのだろう。
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