ある夜のことです。
家族で夜空を見に、外に出ました。
月の光に誘われた、といったところです。
玄関を出れば周りは森。
ここは十里木。
住人よりも鹿やリス、野鳥の方が多いところです。
耳をすましていると、色々な声が聴こえてきます。
フクロウの鳴き声、ホトトギスの鳴き声、鹿の遠音。
じっとしていると、樹々まで囁き合っているような気さえしてきます。
森に暮らすというのはそういうことです。
月はいつにも増して明るく、際立っていました。
星達は息を潜め、脇役に徹しているような、
そんな夜空の下では、蔦の葉にしがみついた小さな、負けず嫌いのバッタの子どもが、これまた月以上に輝かんとばかりに、小さく、必死に光っていました。
そんな目の前の景色が、意識を異国にまで飛ばしてしまった。数日が経ち、突然曲が生まれました。
地球上の全員が幸せに生きるなんてことは理想です。
地球が完璧に平和であるなんてことは理想です。
でもこの曲は、理想のまま終わりそうなそれらの実現を
声高に叫ばないまでも、
切に願い、祈るようなものになりました。
大事に歌っていきたい歌がまた一つ増えた。
とそのとき思いました。
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